念願の八ヶ岳山行

 報告者   : 濱北紀子  
行程

1泊2日

10月12日
美濃戸11;00・・・13;50行者小屋14;00・・・15;30赤岳展望荘泊

10月13日
赤岳展望荘6;00・・・7;00赤岳山頂・・・8;00赤岳展望荘・・・9;10三又峰・・・9;30横岳・・・10;50硫黄岳・・・11;00赤岩の頭・・・12;00赤岳鉱泉12;30・・14;30美濃戸
 山行報告

山友会2000年7月夏山集中登山の小グループで、女神茶屋登山口から蓼科山―大河原峠―双子山、(双子池ヒュッテ泊) 翌日、大岳―北横山岳―雨池−麦草峠―(麦草ヒュッテ泊) 翌々日、茅野へバスで戻り夏山を終えました。女性ばかりの5人で楽しい山行をしましたが,南八ケ岳の主峰の赤岳は未踏でした。何度か会でも企画され実行しましたが、日程が合わず断念していました。今回そのチャンスが巡って来てある個人グループに意を決して参加し2011年10月中旬、紅葉の赤岳に登ることが出来ました。

京田辺を出発し、その日のうちに赤岳山頂まで行き、頂上小屋に泊まるべく予約していたので、美濃戸から南沢を歩き、行者小屋(2340m)から直登の地蔵尾根を選び、梯子、鎖場を登ったのですが、どうもいつものように体が動かないのです。軽い高山病かなぁ・・・と思いながら、ゆっくり、慎重、笑顔、で、登っては休み、休んでは登りの繰り返しで石地蔵さんにも励まされながら、頑張って地蔵の頭までなんとか登ることができました。好天に恵まれ屹立するロウソク状の岩が迫っている尾根から赤く焼けただれた岩肌の赤岳の赤い屋根の頂上小屋や、阿弥陀岳の迫力ある山容が手に取るように見えましたが、同行者が心配してくれ、その日は展望荘に泊まれるように変更してくれました。少し無理をすればあと1時間30分くらいは頑張れたかもしれなかったが、途中でバテたら迷惑をかけると思い休息することにしました。夕食はバイキングでした。早めの休息で、復調した体は栄養を欲し、好きなものを多く食べすぎてしまいました。翌朝もバイキングでした。朝食の途中5時40分頃「日の出です」と教えられました。ビュウポイントは地蔵の頭に向かった稜線で、雲上に聳える富士の山が黒々と望まれてとても綺麗でした。遮るものも無い空間を雲海が満たし、黄金色の幾筋もの陽光が満遍なく下界を照らしていて、いつ見てもご来光は素晴らしいと感じました。赤岳展望荘から赤岳を目指してガレ場の道をジグザクにユックリ登り、左手に富士山を望みながら、今日はしっかりした足取りで赤岳山頂(2899m)まで登れました。



花の多い赤岳と聞いていましたが、その季節は過ぎ見ることはできず残念でした。山頂からは鳳凰三山、南アルプス主峰 北岳や甲斐駒、仙丈ケ岳、木曽駒、白山、乗鞍とぐるっと360度の展望が感激でした。金峰山・瑞牆山も頂上をちょこんと出していました。名だたる山々はすべて雲海を纏いつけ、小島のように精いっぱい背を伸ばしているように見えました。至福の時を過ごし、やはり        赤岳頂上にて
頑張ってきてよかったと思いました。大三郎尾根を下る予定を変更して、横岳から硫黄岳まで足をのばし赤岳鉱泉に降ることになりました。23峰、1枚岩、ピナクル、峰岳、石尊峰と修験道にかかわりある峰々の岩稜の吃立する鎖場や岩場を登り、赤岳や阿弥陀岳の全貌を振りかえながら、キレットや鎖場、梯子のかなりハードな稜線道を登り降りして、三叉峰、無名峰を経て、横岳(2835m)に到達しました。断崖絶壁の下には大同心ルンゼ・小同心ルンゼが荒れた崩壊地にしっかりとした重厚さで、がっしりと嶮しく屹立していました。山岳信仰の隆盛期には多くの修験者が安置した石仏が各所にあったそうです。


稜線あるきは,気の抜けない険しいものでした。横岳の険阻な岩山の鎖場を過ぎると道は穏やかになり、大ダルミ一帯から硫黄岳の斜面にかけケルンが見え、硫黄岳山荘も姿を現しました。ジョウゴ沢火口の外輪山の縁は城壁のように規則正しく積重ねられていて、その光景は異様なものでした。霧や雲の懸かっている悪天候では、このケルンがなければ方向を失いやすいようでした。ケルンを数えながら硫黄岳
(2742m)に登りつき、又、硫黄岳の噴火口の凄さを見ました。1992年7月、田辺町民夏山登山の時は、麦草峠から白駒池を南下して天狗岳を経て本澤温泉に宿泊し、露天風呂から見た硫黄岳の爆裂火口は300mも深く落ち込んでいて、足がすくむほど恐怖を感じました。夏沢峠から天狗岳、縞枯山、蓼科山が連なって延びている山並みを、懐かしく思い出しながら雨量計の小屋を見て赤岩の頭に降りました。栂やモミの森林道をジグザクに降りジョウゴ沢の橋を渡って平坦な道を進むと、赤岳鉱泉(2220m)につきました。休憩しながら特製のラーメンを頂き、北沢を下り美濃戸までの長い道を歩きました。紅葉のはじまった樹木の後ろに鋭い岩峰の南八ケ岳が凛と聳えていました。あの突出したギザギザの岩稜の道を歩いたと思うと感激しました。1泊2日の山行でしたが、グループの皆さんに支えられて充実した思い出をつくることができました。